藁仕事(二)
先ず藁の選定から始まる。
悪い藁だと、物がつくりにくくて弱い。
だから稲扱きの段階からエッテ※おく。(※選んで)
私の家の藁は、山田のせいで腰が弱く(叩くとオレオレになる)
故に駄目で、岡安の親類から貰って来て藁仕事はした。
フゴ(とわ、畚、こんな字で、入れ物)家々の方では屑の事を・・・
いやいやちがった、思い出した、ハカマだった。
かんがえて見ると袴だ。
フゴ出とるなんて書いたら、恥をかくところだった。
其の束ねたものを一日分担いでいって、
「今日は藁打ちや」と云うと、
「よっしゃ、其んならわしもや」と言って、
連れになって貰った。
打ち始めはガサゴソだが、だんだんにカンコン、カンコンで
張合いがついて来る。
音が小さくなって、コシコシとなると仕上りに近い。
そろそろ疲れて来た。
声がかかった。「一服しよまいか」
まっとった。
つづく
H17.10.1 善琢
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