ガヤの実を食べてみる
榧(カヤ)の実のことを、この辺では“ガヤの実”と言います。
彼岸花が咲き終わるころ、ウチの近所だと
左近谷(さこたん)の石塔横にガヤの実が落ちます。
このガヤの実、昔は炒って食べていたそうです。
それを聞いた妻が、去年実を拾ってきて母に手渡し、
母がそれを干して炒ってくれたのですが、
渋皮がくっついていてキレイに取れない。
その上渋い・・・、渋くておいしくない。
悪いけど食えたもんじゃない。
それもそのはず、アク抜きをしていなかったのですから。
両親はガヤの実を食べていた世代ですが、
下ごしらえはその母や祖母の仕事。
手間をかけてアク抜きをしていたことまでは
知らなかったそうです。
月日はめぐり一年後。
ネタ探しのため、カメラ片手に立ち寄った左近谷、
今年もガヤの実が落ちていました。
落ちた実は前日までの雨でふやけ、
花が咲いたように実の尻からばっくり割れています。
食べる部分は栗と同じく種子の胚乳なので
果肉を取る手間がはぶけて好都合。
割れた果肉は青くさい独特の匂いがしますが、
銀杏のように臭いとは感じません。
むしろ森の匂いのようで好ましい印象です。
今度はちゃんとアク抜きして食べてみようと思い
種子を拾い集めて家に持ち帰りました。
水洗いしてきれいにしたあと、ネットで食べ方を調べます。
WikiCookRecipe ウィキクックレシピ
重曹でアク抜きと書いてありますが、
今回は灰汁でアク抜きしました。(調べた意味がない)
ウチの母屋はいまだにマキのお風呂なので、
灰はごく自然にあるのです。
オール電化のセールス電話がかかってきた時、どのようにしてお風呂を沸かしてますかの問いに「マキをくべて沸かしてますんや」と答えた母。
相手は絶句して、それ以上何も言わなかったとか。
セールスマニュアルでは五右衛門風呂のケースは想定していない?
一週間ほど灰汁に浸けておかなければならないので、
あんまり家にいない私がやると腐らせてしまうのがオチ。
アク抜き作業は妻に頼みました。
仕事から帰って冷蔵庫を覗くと、
灰汁に浸けた実がタッパーに入れてあります。
汁の透明度が高いようなので、ちょっと灰が少ないんじゃないか?
と思いましたが、口には出しません。
言えば必ず「じゃあ自分でやって」という流れになる。
トチと同じでこのアク抜き工程がけっこう重要な気がします。
これを書いている現在、既にアク抜きは終わって
乾燥まで済んでいますが、時間がないのでまだ食べてません。
果たして今回は渋くないのが食べられるのか?
オール電化のセールスのくだりはツボに入ってしまいました(笑)
確かにうちのオカンはそうやって言ってそう・・・
ガヤの実の感想、待ってます!!
投稿: 久右衛門のおじぼん | 2009年10月27日 (火) 00:11
ガヤの実はこのあいだの日曜に煎って食べました。
渋皮を剥くのがめんどくさいです。
詳細は“栃の実物語”が終わってから当ブログにて報告予定。
投稿: 管理人 | 2009年10月27日 (火) 08:40
初めまして!
石川県輪島市の田中です。今日知り合いの所へ行ったら、
「ガヤの実」って食べたことある?と聞かれて、それ何ん
や、その場で炒ってもらって割って食べました。少し冷めてから食べたらサクサク香ばしくてせんべいみたいでした
それから少し生を分けてもらい何個か土に埋めて芽だしして残りは炒って食べます。
投稿: 田中 和夫 | 2016年12月 1日 (木) 11:24
コメントありがとうございます。
下拵えや調理法、品種なんかで味にも差が出るんでしょうね。
投稿: 管理人 | 2016年12月 1日 (木) 12:41