盂蘭盆会(五)松明あげ
昭和の十四、五年だったと思うが
お盆の総仕上げと言うか、フィナーレの祭りであった。
平右門(ヘイモンと云った)の前の河原(右岸)、
本通りから下りた所に格好の広場があった。
日頃は平右門のおやじさんが働く場所であった。
竹籠(蛇カゴ)ともう一つ、
海苔の付着する竹を丸めていた。
其処を使って、松明をあげた。
麻殻をオンガラと言った。
其れを小束にして大を付け、
さながら戦場の如く若者が乱舞した。
勝抜きであるので、弱い者は早く逃げるのである。
是の絵が中村の忠兵衛の忠衛さんの孤軍奮闘の場面である。
攻めているのは下じょうの若者であった。
僕たちは土手から手に汗を握って見守っていた。
誰かが「負けるな、タァさん」とさけんだ。
実話である。
H17.8.30 善琢
松明あげ(マツアゲ)は盆踊りが済んだ翌日の16日と旧盆の24日に行われていました。
盆踊りと同じく、上方と中・下別の場所で行われていたようです。
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