晩秋のユキンコ
山の木々も紅葉が進んできました
週末、“ユキンコ”がフワフワと山際を翔びまわっていた。
白い綿で包まれたようになって雪のように見える小さな羽虫で、
“ユキンコ”はこの辺りの俗称である。
かわいらしい名前で呼ばれているが、
正体はアブラムシの一種で、一応害虫である。
雪のような白い綿毛は、炭化水素を主成分とする
糸状の蝋物質なのだそうだ。
熱に弱く、人間の体温程度でも弱ってしまうらしい。
飛翔力は弱々しく、空気中を漂うように翔んでいる。
あまりに頼りない翔びっぷりなので、
油断していると時々吸い込んでしまいそうになる。
この虫を見かけるようになると、そろそろ初雪が降る と
昔誰かに教わった。
雪も近年はずいぶん少なくなり、
雪降ろしが必要になるほどの降雪は滅多に無い。
それにここ数日はとても暖かく、
日中は半袖で過ごせるくらいだった。
近々に雪が降るようなことはさすがに無いと思うが、
秋の深まりと間近に迫った冬の訪れを
実感させてくれる虫であることは、
今も昔も変わらないだろう、と思う。
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