盂蘭盆会(二)棚経
仏壇のかざりつけを終えて暫くしていると、
桐の引摺の音とともに、お坊さんと小僧さんがやって来る。
お坊さんは其の侭座敷に、
お小僧さんはお供養と言うのか、
ほどこしを貰ってちゃっかりしている。
頭陀袋がふくらんでいた。
やがて読経が終り、一寸一服。
今日は特別暑いですねえ
本当に暑いですね、ご苦労さんでした
と、お茶と茶菓子を出したが、
もう彼方此方で沢山戴いているので、と言いながら
では、そんならと言って立たれた。
食べられなかったお菓子は其の侭紙につつんで
お小僧さんに渡された。
僕はあとでくだけたお菓子をもらった。
因に、お小僧さんはお寺の近所の家のぼんぼんである時もあった。
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