世間は様々、何が起こるかわからない。
幸も不幸も紙一重、うんもふんも一字ちがい。
誰が得して、誰が損するかは分からない。
まあ其れは其れとして、
此の鐘は清源寺と共に生きて来た梵鐘である。
雨風をとわず、毎日、時をしらせて呉れた、
有難い仏の使いであった。
が、其れが運命のいたずらか、
昭和拾七年拾壱月拾六日、
戦争の犠牲と云うか、献納される羽目になったのである。
憂き目と云うか、大変な事になった。
吊り鐘が出世する。
事の重大さは分からないが、
馴染んで来た梵鐘で、生活に欠かせなかった宝。
ゴーン、ワンワン・・・ワァン・・・ワ・・・ン
つづく
H17.9.24 善琢
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