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2009年5月15日 (金)

寺(二)


世間は様々、何が起こるかわからない。

幸も不幸も紙一重、うんもふんも一字ちがい。

誰が得して、誰が損するかは分からない。

まあ其れは其れとして、

此の鐘は清源寺と共に生きて来た梵鐘である。

雨風をとわず、毎日、時をしらせて呉れた、

有難い仏の使いであった。

が、其れが運命のいたずらか、

昭和拾七年拾壱月拾六日、

戦争の犠牲と云うか、献納される羽目になったのである。

憂き目と云うか、大変な事になった。

吊り鐘が出世する。

事の重大さは分からないが、

馴染んで来た梵鐘で、生活に欠かせなかった宝。

ゴーン、ワンワン・・・ワァン・・・ワ・・・ン

Tera_02

つづく
H17.9.24 善琢

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