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2017年4月 4日 (火)

伝統的民家群を保存活用する

Img_2125 坂尻の法面から撮影(2005年10月)

旧是右衞門邸がまだある頃

  

  

去る3月21日、川上区が福井県より『伝統的民家群保存活用推進地区』に認定されました。

 
推進地区の指定要件は、

(1)伝統的民家等が10戸以上ある集落または自治会の区域
(2)地区内の住民に伝統的民家等の保全の意向があり、住民が街並み景観を活かした地域づくり活動を行っている、または行う予定がある区域

となっています。

推進地区に指定されると、「伝統的民家」に該当する家屋はもちろん、「伝統的民家」に付属しない土蔵、門、塀も外観改修費の補助を受けることができます。(上限あり)
その他にも「伝統的民家」を新築する際の外観工事費用の補助を受けることもできます。

こういった手当を行うことで伝統的民家の保全を促進し、その景観を地域財産として地方活性化の一助とすることがこの制度のねらい、だと思っています。
良い点のひとつが、地区内の建物に規制がかからないこと。推進地区に指定されたからといって、必ずしも改築や新築時の外観を「伝統的民家」風にしなければならないということではありません。

ただし、指定要件に「住民が街並み景観を活かした地域づくり活動を行っている、または行う予定がある区域」とありますので、そういった景観づくり活動は行っていかなければなりません。この活動費についても上限20万円の補助が出ます。

現在川上区には伝統的民家に該当する家屋が22戸あり、その多くが地元では「くずや」と呼ばれる茅葺屋根の家屋です。茅葺といっても表面をトタンで覆ってあるので、定期的な葺き替えは行わなくて良いようになっています。
それらの家屋がある程度かたまって建っていると景観的な値打ちも高いのでしょうが、集落内に点在しているのが現状で、景観的インパクトは決して高くないと感じています。さらには生活感あふれる車庫や現代的な家屋も隣接している場合が多く、伝統的民家群として絵になる場所はそう多くありません。
(地元民ゆえに見慣れているから余計そう感じるのかもしれません。が、奥上林の集落などと比べると、田舎の風景として明らかに純度が低いと思うのです)

この実状を踏まえ、川上区として具体的に何をするかは今後検討するとして…。

 


卑近なところではウチの土蔵。戦争中は上空から目立たないよう白壁を黒く塗ったらしいので、少なくともその頃にはあったのでしょう。白壁はポロポロ剥がれ、屋根瓦も痛んでいて相当見苦しい状態です。

あいにく母屋は昭和30年代の建物ですので「伝統的民家」には該当しませんが、それに付属しない土蔵、門、塀も外観改修の補助対象とありますので、今回は絶好の改修チャンスだと思っています。(今後再調査されるということなので、その時確認したい)

おそらくこの制度がなければ、そう遠くない将来にプレハブかトタンの小屋になっていたはず。

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