蜻蛉(三)
寝るしかないが今から寝たのではと、
縁側で涼むのである。
蚊くすべを煽ぐ、煽がないと家の中に入って来る。
世間ばなしになる。
盆踊りの話になった。
今年は終わったが来年からは場所が変るらしい、
何でだろう、如処だろう、
其れはなあ…、学校は子供の勉強をする場所なんだ。
踊りで騒ぐ場所でない、
其れに隣近所から苦情が来たのだ。
何と言って…、
一晩くらいなら心棒も出来るが、
毎年々々二晩も三晩も騒々しい、
埃りも出るし、窓も開けて涼むことも出来ん、と其んなことだ。
其れで来年はマトバ橋の広場でと、きまったらしい。
お母さんがトンボが家の中に入って来たよ、と云った。
ふと、精霊蜻蛉が話しに来たのかと思った。
つづく
H17.9.2 善琢
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