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2010年6月 9日 (水)

最後の炭焼き窯? その三

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6月2日

窯の乾燥が終り、いよいよ本格的に火を入れて炭焼きに入る。

つやつやしていた天井の土も白く乾燥し、

細かいヒビ割れが走っているのが見てとれる。

煙突も取り付け、木酢液を採取する用意も完了。

最初はなかなか煙突から煙が上がらなかったが、

ブロワーで空気を送り込むと・・・

 

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たちまち煙突から煙が吹き出して

あっというまに視界がゼロになった。

目にしみる白煙が小屋内はおろか

辺りいちめんに立ちこめてしまい、

とても小屋の中に居られたもんじゃない。

小屋の煙突から煙が出て行かないのは風向きのせい?

 

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ところがこの窯、湿気がまだ残っているからなのか、

なかなかの曲者でうまく火がまわらない。

煙突から上がる煙に勢いがない。

この煙の温度が80〜83度くらいにならないと

火がまわったことにならないのだが、

78度からいっこうに上がる気配がない。

これでは放っておくと火が消えてしまうので

焚き口前に脚立を置いてブロワーを固定、

扇風機も動員しての着火作業となった。

けれどそれでも上手くいかず、

6日になるまでブロワーも扇風機も設置したまま。

ベテランの炭焼きさんでさえ着火に四苦八苦されたようだった。

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煙突を通るうちに煙が冷やされ、液化したものが木酢液
煙突を伝って落ちてきた茶褐色の液体をためておくと三層に分離する
真ん中の層が木酢液
農薬として病害虫対策や土壌の消毒・改良、入浴剤などにも使えるスグレモノ
原材料や製造時の条件により成分にばらつきが生じるが、成分分析にはン十万かかるそうな

 

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一人ふたりと集まり始め火を見守る人々(それだけが目的ではないだろうが、日曜日の炭焼き小屋はサロンと化していた)

 

ようやく火に勢いが出だしたのが6日の夕方、

黄色がかったどす黒い煙の色が、

やがて青味をおびた色に変わると

窯を密封して材木を蒸し焼きにするという。

 

二日後に窯を訪れると焚き口が土で完全に塞がれ、

煙突も取り外されて土が詰められていた。

窯に手をあてるとじんわり暖かい。

どうやらうまく煙の色も変った様子。

 

さてさて窯の中身はうまく炭になっているだろうか。

 

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土で密封状態の窯
右の写真奥にあるのは木酢液を溜める容器

 


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