野逕渓の烏帽子岩
「烏帽子岩」字野逕谷の山中に烏帽子岩とよぶ烏帽子によく似た岩があった。区内の男子が十五才になると元服祝としてこの岩に参る習慣があったというが、この岩も水害のために流されて今はない。
(郷土史大飯 昭和46年発行より)
郷土史にこのように記されている烏帽子岩。元服祝というからには岩に参っていたのは明治以前の話だと思われます。記述を信じて既に無いものと思い込んでいましたが、意外なことに流されてなどおらず谷に今も残っているという。
それを聞いて早速見に行ってきました。なんでも野逕渓(やけだん)の林道脇にあって、見つけるのに苦労しないということでした。その言葉どおりあっけなく発見。
一抱えほどの部分が露出していますが、苔むしている以外は特に目立つような岩ではありません。馬がせに行くときに何度もここを通っていましたが、まったく気に留めていませんでした。
場所は林道が沢を渡る所で、林道造成時の盛土で岩の下半分は埋まってしまった様子。埋まる前は今よりも大きくて特徴的な岩だったと思われます。
薮の中にちょこんと顔を出している烏帽子岩。(Map:G-5)
岩は砂防の奥、林道が沢を横断する所の傍らにある。
岩を避けるために直前で道を反対側へ渡した?
岩の手前あたりに野生のヤマアジサイがたくさん咲いていました。
よく見かける派手なアジサイにはない弱々しさがあって、独特の風情。
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